当院の小児矯正治療

現代では顎の成長不足の子供が非常に多いです。顎の成長不足は歯並びだけではなく、全身の健康にも大きな影響を与えます。子供の内に矯正を始めると顎の成長不足を改善することができるので、将来の健康にも大きくプラスに働きます。

大人になってからの矯正は、顎の成長が終わっているため永久歯を抜歯して隙間をつくって歯を並べます。子供の間に矯正を始めると成長を利用して顎を広げることができるので、開始年齢が早ければ早いほど、永久歯を抜歯しなければならない可能性が低くなります。

子供の間は顎の骨が柔らかく歯が動きやすいので、歯を動かすときの痛みが少ないです。また装置への適応能力が高く、大人より早く慣れることができます。

前歯の永久歯が生えてくるのは、個人差がありますが6才前後です。永久歯は乳歯よりサイズが大きいため、隙間が足りないと前歯がガタガタになってしまいます。

乳歯の段階で隙間がない、または下の大人の前歯が生えた段階で隙間がなく歯並びが乱れている場合は様子を見ても治りません。

5～7才くらいが小児矯正の適齢期ですので、歯ならびの乱れを見つけたら早めにご相談下さい。

受け口とは専門用語で反対咬合と言います。通常上の前歯が下の前歯より前にくるはずが、下の前歯の方が前にでてしまっている状態のことを言います。

反対咬合は放置すると問題が深刻化してしまうため、見つけたら早めにご相談ください。

出来るだけ早く開始した方がいいですが、あまり低年齢ですと治療すること自体できないため、様子を見ながらちょうどいいタイミングで治療を開始するようにします。時期としては4～5才位です。

出っ歯になってしまうのは原因があります。

代表的なものには指しゃぶり、舌をだす癖、下唇を咬む癖があります。まずはその原因をなるべく早く除去してあげることが大切です。

出っ歯になってしまう子供は歯並びの乱れが伴うことがほとんどで、歯並びが原因で良くない癖を誘発している場合もありますので矯正治療が必要になってきます。

歯に装置を固定してネジを回して歯列を広げる方法で、急速拡大装置と呼ばれるものです。

毎日1回ネジを回します。取り外し式に対して拡大する期間が短く、確実に治療が進むメリットがあります。

歯並びが悪いということは骨格の成長が不足したためです。この治療法では歯だけではなく骨格にも作用しますので、根本的な治療をすることが可能です。

取り外し式の装置です。装置にネジが組み込まれていて、そのネジを回すことによって装置が広がります。

これを装着することによって徐々に歯列を広げていきます。歯列が広がると歯が並ぶスペースができるので、歯並びを改善することができます。

効果的に治療を進めるにはできるだけ長い時間装着します。1日14時間以上は必要です。お家では食事と歯磨き以外の時は装着します。

このタイプの装置はプレオルソ、T4K（マイオブレース）等があります。当院ではプレオルソという装置を使用しております。

歯並びは唇や舌から押される力に大きく影響されます。この装置はお口の周りの筋肉のバランスを整えることによって、矯正治療を行っていきます。

装着時間は日中に1時間と寝るときだけです。その他お口の周りの機能を改善するためのトレーニングをしていきます。

この装置だけで全てが改善するわけではないので、当院では矯正治療前の準備治療と考えております。

当院では固定式装置を用いた「こども歯並び発育矯正」をおすすめしています。正式名称は顎顔面矯正と言います。

「こども歯並び発育矯正」とは従来の見た目改善を主目的とした矯正治療ではなく、アゴの成長不足を改善し子供の健康的な発育を促す治療です。

子供の歯並びが悪くなる原因は、アゴの骨の成長不足です。

アゴの成長は8才でほとんどの成長が終わってしまいます。アゴの成長が足りないと、歯がキレイに並ぶスペースがないのでガタガタの歯並びになってしまいます。

急速拡大装置を使った固定式の治療ではアゴの骨格の成長不足から治すことができますので根本的治療が可能です。

装置を初めて見られた方は「痛そう」とか「うちの子はできるかな」とか言われますが、子供は適応能力が高いのでほとんど数日で慣れてしまいます。

普通の矯正は単に歯並びを治すだけですが、この治療法ではアゴの成長不足という根本的原因にアプローチすることができます。

上アゴは2つの左右の骨からできており、この装置でアゴを広げると正中縫合という部分が広がっていきます。

この正中縫合を広げるとすぐ上にある鼻腔も広がりますので、鼻の通りもよくなります。今まで口呼吸だった子が鼻呼吸できるようになります。

呼吸をする場所が鼻か口かの違いだけで、大した問題ではないかと思うかもしれませんが、実は口呼吸は非常に危険な呼吸法です。鼻呼吸ができずに口呼吸をしていると、鼻づまり、鼻炎、いびき、寝相の悪さ、睡眠の質の低下、低身長、アレルギー体質、アトピー、おねしょ、猫背などを引き起こしてしまう可能性があります。

繰り返しにはなりますが、上アゴの成長は8才でほとんど終わります。ですので、その後は自然な成長による解決は難しくなります。この治療法は子供の成長が残っている間に健全な発育を手伝ってあげ、歯並びだけではなく全身を健康に導く治療法です。

私にも子供がおり、歯科医師の目から見ると明かに顎の発育が悪く将来がとても心配でした。

顎の発育が悪いと見た目だけではなく、健康への悪影響がでてしまうことを知っているのでなおさらでした。

私の子供には矯正治療をしましたが、同じお悩みを持った地域の方のお力にもなれればと思っています。

もし、お子様の歯並びのことでお悩みでしたらお気軽にご相談ください。歯科医師として皆様のお役に立てるよう頑張りたいと思います。